2006-02-27

冷凍エビと生きたエビの違い

土曜の昼に天ぷらをごちそうになった。今日のエビがおいしいとご主人に言ったところ、夜のメニューで出しているエビを出してくれたそうだ。ご主人曰く「昼も夜も来てくれるお客さんに『昼と夜で何か違うの?』って言われちゃったことがありますよ」とのこと。料理を出す側としては、なんとも頑張りようのない言葉である。

「天ぷらは素材の味で決まっちゃいますからね。何が違うのって言われちゃったら、毎朝早く仕入れに行ってるのって何なんだろうって思っちゃいましたよ」。昼と夜では値段が違うのだから食材も違って当然で、このお店ではお昼は冷凍エビ、夜は生きたエビを使っているそうだ。お金をお昼以上に出してもらうからには、よりおいしいものを出したいとの思いで早朝から市場へ行っているのに、違いがわかってもらえなかったのは結構ショックだったのだろう。ここのご主人は料理のこだわりだけではなく、厨房やお店をいつも自分できれいにしていて、料理人の鏡みたいな人だけど、こんなこと言われていたんだなと、話を聞いていた自分もショックだった。

ご主人の仕事ぶりを見ていて、手を抜かずにやることの大切さを改めて感じた。例え一部のお客さんにはわかってもらえないにしても。自分自身が一生懸命やるか、全くやらないの両極端な所があるので、これからどんな仕事をしていくかはわからないけど、常に手を抜かない姿勢でいたいと思う。

2006-02-20

確定申告に挑戦 -医療費編-

昨年は取材先で意識を失い、2月末から3日ほど入院したので、医療費控除が受けられるか計算してみた(ちなみに仕事中の入院なのに欠勤扱いという社員に「やさしい」会社だ)。

国税庁のウェブ(医療費控除関連)によると、私の場合は以下の式で算出することになる。

(実際に支払った医療費の合計額-健保組合の付加給付額)-10万円=医療費控除の対象額

私が払った医療費は10万円弱で、健保からの給付金もあったから、医療費控除の対象にはならないことがわかった。あとは「実際に支払った医療費」というのが、「本人負担額」であることが確認できれば申告しないで済む。まぁ3日くらい入院して歯医者に行った程度ではこのシステムは関係ないということがわかっただけでもよかった。今後は今回作成したExcelのシートを流用して確認しようと思う。

さて、機材代の方であるが、どうも「給与所得控除」の額より70万ちょっと多くかかっている。なので即申告といきたいが、「特定支出控除の特例」に該当するかが問題。国税庁のウェブを見る限りでは、会社が金を出さない機材や深夜取材のタクシー代(総選挙の時のもの)は難しそうだ。これについては、捜査の進捗を見つつ税務署に聞きに行ってみようと思う。

機材についてはある人物とその上司と私の間で色々あるのだが、それは機会があればどこかで書きたい(できれば実名で)。ちなみに2人とも記事を書いたり編集する人物ではないことは明言しておこう。

2006-02-17

Ec-S体験記

なんだかオタ的なタイトルが嫌だが、この「Ec-S」というEOS-1D Mark II N用のフォーカシングスクリーン(焦点板)を使い始めてはや1カ月。ネットを見ていても使いやすい/にくいと賛否両論のようなので、使用感を書いてみたい。

結論から言うとF2.8常用であれば、Ec-Sのほうが付属の焦点板よりピントを合わせやすいのは間違いない。だからオートフォーカスでピントがイマイチきてないときはマニュアルで調節しやすいし、マニュアルのみでも撮りやすい。Ec-Sに交換する前はとてもマニュアルでピントを合わせようとは思わなかった。

また、会見や講演などでEF100-400mm F4.5-5.6を多用するが、F5.6でもさほどファインダーが暗いという感じはしない(確かに付属品よりは暗いけど)。いわゆる真っ暗で見にくいわけではないので、ニコンのF3などのMFカメラを使っていた人なら違和感はないと思う。

ネットでもEc-Sが付属品でもいいのでは?というコメントを見かけたが、私もそう思う。D2HsからEOS-1D Mark II Nにメインを替えたときファインダーの見にくさは痛感していたが、Ec-Sにしたことでこの不満も解消された。やはりピントのヤマがつかみやすい方が撮りやすい。

2006-02-09

Thunderbird 1.5の迷惑メール機能って

迷惑メールに「迷惑マーク」を付けると、メールが開封済みになってしまう...
1.0.xは既読にならずによかったに、なんでこんな仕様なのだろう。1月の中頃から使っているけど、早いところフィックス版が出て欲しい。

あと、迷惑メール機能ではないけど、どうやらThunderbird 1.5→Eudoraに添付ファイルを送ると不具合があるようだ。不具合といってもファイルが壊れるとかではなく、Eudora側でメール上からファイルをクリックしても開かないといった感じ。対応策を調べるのが面倒なので、添付ファイルを送るときはEudoraから送っている。

メーラーで互換性が問題になるのはHTMLメールの表示と添付ファイルの扱いが多いと思うので、Thunderbirdもこの辺が賢くなってくれればなぁと思う今日この頃。
あと、日本語入力ONの状態でもスペースキーでスクロールできるようにしてほしい。

2006-02-04

写真は事実を半分しか伝えられない

これはピュリッツアー賞を受賞した米国の報道写真家、エディ・アダムス氏(2004年に71歳で逝去)が以前、NHKの番組で語った言葉の一節だ。南ベトナムの国家警察長官が北ベトナムのゲリラ将校の頭を銃で撃ち抜き、処刑した瞬間を彼が撮ったときを例に挙げていた。

テレビを見た時の記憶を基に彼の話を書き起こすと、以下のような内容だった。
「写真というものは事実を半分しか伝えられない。グエン・ロアン(南ベトナムの警察長官)は、休日には娘にフランス語を教える良き父親であり、(処刑写真の)前日には(グエンが処刑している)ベトコンに部下を皆殺しにされていた。しかし、彼はベトコンを銃で処刑した写真により、悪者扱いされた。この写真を撮ったときは戦争であり、平時ではなかったのに」

つまり、写真を見ただけでは、「グエン=ベトコンを殺した悪者、ベトコン=処刑されたかわいそうな人」という図式ができてしまう。多くの人には、なぜグエンがベトコンを処刑しなければならなかったかが、正しく伝わらないのだ。

右の写真は、僕が撮った某社社長逮捕後の社内の模様である。この写真は無断で(一部事前連絡あり)テレビ各局が使用しているが、大体の番組では写真を大写しにして、下を向いた社員のところで次の画面に切り替える使い方をしている。

しかし、彼らは本当に落胆して下を向いていたのだろうか?このカットを撮った時は話が始まってだいぶ時間が経った頃で、暗い話ではなくても普通の人なら下を向いていてもおかしくない時だ。「下を向いているのは事実だが、落胆しているかは個人による」ということだ。もしかしたら「あー、早く話が終わんねーかなー」位の気持ちかもしれない。

この写真は社員が下を向いているという事実は伝えているが、なぜ下を向いているかまでは伝えきれていないと思うし、むしろ見た人に「落胆している」ことを想起させる写真になってしまったのかなとも考える今日この頃だ。写真は事実をすべて伝える事はできないし、それでも良いと思うが、撮る側と見る側にはこうした認識が必要だとつくづく感じる。認識がないから簡単に誤解が生じるのだろう。

写真は事実を半分しか伝えられない。この言葉を戒めとして今後も報道写真を撮っていこう。