2006-11-14

幼児の指でも挟まないシュレッダー

今年3月に起こった2歳児が指9本を切断する事故を受けて、アイリスオーヤマが改良を施したシュレッダーを発表することを知り、発表会へ行ってきた。

改良点としては紙の投入口を従来より狭くし、投入口から刃先までの距離も長くしたという。これで指が入りにくい+入ってしまっても刃に届きにくい構造になったそうだ。業務用については投入口の周囲に緊急停止装置を付けて手がスイッチにふれれば自動的にモーターが止まる構造になっている。

発表会の説明を聞いていて驚いたのは、今のところ世界中にシュレッダーとしての安全基準が存在しないこと。従来機はアイリスでは玩具の安全基準「ST基準」を基に作っていたという。家庭でのシュレッダーの普及は、おそらくストーカー問題が深刻化した数年前あたりからだと思うが、それにしても何も基準がないってのはいかがなものか。
現在経産省や業界団体では法改正や安全基準の策定を進めているが、ちょっと後手なんじゃないのかと思う。

非上場企業の新製品発表会であったが、社会的にインパクトの大きい事件へのひとつの答えとして報じる意味はあったと思う。

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それにしても、この手の地味なネタは僕の所属社(今回もあえてこの表現を使う)では大きく扱わない。単に会社が新製品を出しただけではなく、社会的に意味のあるニュースなのだが...
現在のサイトの構造上、トピックスにあがらない記事は出した瞬間から「読まれない記事」になる。

こうした記事の必要性を理解できるトピックス担当はすぐ辞めてしまうし、結局芸能ネタとか見出しでクリックされそうなものばかり。マスメディアならぬ「ゲスメディア」街道まっしぐら。ニュース全体の責任者(報道未経験者)に改善を迫ってもまったく効果なし。彼らがやりたいのは報道ではなく「娯楽としてのニュース情報」の提供にすぎない。社会的意義よりもいかにクリックされるかだけ。どちらか一方に偏るのではなく、バランスが大切だと思うが、彼らはそうではないのだろう。

今回の件に限らないが、最近の記事の選び方を見ていると失望感は増す一方。
それでも伝えるべきことは伝えていこうと思う。いつまで続けられるかわからないけど。

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