2006-12-25

Xmasイルミネーション&夜景

ケーキ特集も無事終わり、20日から24日まで「イルミネーション&夜景」の特集を行った。
この企画は元々イルミネーションだけでまとめるつもりだった。しかし、ロケハンをしていると「目で見てキレイ=写真でもキレイ」と言えないところがあったり、メジャーな場所だけになるなら無理に5日分撮るよりは3日で終わらせた方が良いんじゃないかと思っていた。

撮りたいように撮ればいい
ある日、デパートの本屋でTIMEとかを立ち読みしていて、ふと思った。

「自分の企画なんだから撮りたいように撮ればいいじゃないか」

変に色々と制約を決めすぎていたと反省し、夜景も絡めた企画に軌道修正した。イルミネーションを3カ所、夜景を2カ所と決め、撮り終えていない夜景はテレコムセンターと池袋 or 新宿とした。

新宿をボツにした理由は、都庁などから都内の高層ビルを絡めた写真を撮る場合、汐留や天王洲などやや遠くのビル群になってしまう。それよりは、池袋から新宿の高層ビル群を撮った方が絵のバランスが良いと考えたからだ。

自分らしさを出したい
もう一つは昨年のツリー特集で中野を入れたように、自分が思い入れのある場所を入れたかった。「撮りたいように撮る」という原点に立ち返って決めた。

池袋は自分の人生に大きな変化を与えてくれた場所であり、卒論で取り上げた場所でもある。そして、サンシャインへは2000年に「空撮の練習」と称してよく行っていた。当時は「いつか新聞社の写真記者としてヘリで撮ってやる」みたいなことを考えていた記憶がある。
残念ながら今回も展望台からではあったが、池袋からの夜景を発表できた。

最終回を六本木ヒルズにしたのも理由がある。
今年を象徴するもので特集を終えたいと考えたからで、単にヒルズのイルミネーションを紹介するのではなく、強制捜査の時によく使われたアングルを載せることで、今年一年を振り返るような形にしたかった。

こんな思いが写真を見た方に伝わったかはわからないが、僕なりに考えた5回の特集であった。

写真は上から、汐留→お台場→横浜→池袋→六本木。

2006-12-20

パティスリー ポタジエ

クリスマスケーキ特集もとうとう最終回。中目黒のパティスリー ポタジエの写真記事を19日に出稿した。
このお店の特徴は野菜スイーツ専門店であること。自然の鮮やかさがあるケーキが、フルーツを使ったケーキとはまた違った美しさがある。

野菜ありきでもない
オーナーパティシエの柿沢さんに聞いたところ、必ずしも野菜ありきで始めたわけでもないようだ。

柿沢さんは野菜を中心にしたレストランで野菜スイーツを出していたことから、このお店の出店につながっていくのだけど、健康によい食材を使う中で、野菜を使ったスイーツが形になっていったらしい。野菜以前に体によい食材という所からスタートしている。

野菜を使うのは自然なこと
スイーツに野菜を使うのは、シェフとして料理を作っているときに野菜でソースを作ったりと、日常的に使っていたことから「自然なこと」だったという。

柿沢さんは7年かけて出来たフルーティーキャロットが果物みたいに甘く、ニンジン嫌いな人でも食べられる味だと言っていた。また、ケーキに使うチョコレートも、いわゆるオーガニックチョコで雑味がなく後味がよいという。今回のクリスマスケーキのクリームには砂糖を使っていないが、野菜のおかげで十分な甘みがあるようだ。

僕もクリスマスケーキではない普通のケーキを買って家で食べたが、素材として野菜を使っていると「やさしい味のする素材」であり、「これは野菜だ」と前面に出すぎることはなかった。野菜のおいしさを巧みなバランスで各所に使っている感じ。

おいしい野菜をケーキに使えば、野菜嫌いな人でも食べてもらえるとの思いもあるようだ。

記事はこちら。
パティスリー ポタジエ ~ブッシュ・ド・ノエル~(06年12月19日掲載)

2006-12-19

コンディトライ・ニシキヤ

クリスマスケーキ特集4日目は、祖師ヶ谷大蔵のコンディトライ・ニシキヤ。初回のタダシヤナギ同様、2005年のバレンタイン特集でお世話になった店だ。

オーナーシェフパティシエの西田さんは、数多くの芸能人の誕生日ケーキを手がけている。そして、我が日本パクチー狂会会長の誕生日ケーキも作ってもらったことがある(頼んだのは僕じゃないけど)。そんな西田さんは今回も取材を快諾してくださった。

地元の人が絶えずやってくる
お店は昭和3年の創業で、喫茶スペースもある街のケーキ屋さんという感じ。地元の人が絶えずやってくるから結構賑やかだ。ケーキがおいしいのはもちろんだけど、コーヒーがうまい。それだけでも行く価値がある。焼き菓子やチョコレートなども自家製だ。

店内には昭和30年代のニシキヤの写真なども飾られており、街と共に育ってきたお店というのが伝わってくる。地元の人にとっては、あって当たり前のお店なんだろう。そういう店の存在は、子供には大きな影響を与えるんじゃないかと思う。

エサではなくメシを食え
今回は近況など世間話をしている時間が長かったが、前回伺った時に印象に残った話がある。西田さんは調理学校でも教えており、そこの学生たちに言った言葉。それが「エサではなくメシを食え」だ。

「そりゃあ、学生だから金がないのはわかるよ。だから吉牛とか行くのもいい。でも、料理をお客さんに出す職業を目指すんだから、時にはホンモノの味を知って欲しいね」。たまには奮発しておいしい料理を食べて、その味を目指して欲しいということだ。

そして、単に食べるだけが食事じゃないともおっしゃっていた。だからこそ、「エサではなくメシを食え」という事だと思う。この言葉を思い出すと、自分のエサどころか栄養摂取にすぎない食生活がすごく情けない。

クリスマス特集が終わったら、おいしいコーヒーを飲みながらおいしいケーキを頂こうと思う。

記事はこちら。
コンディトライ・ニシキヤ ~いちご畑デコレーションケーキ~(06年12月18日掲載)

2006-12-18

ノリエット

クリスマスケーキ特集3日目は下高井戸のノリエット。
この特集ではいわゆる「ケーキ激戦区」から選ぶという視点ではなく、こだわりとか地域に根付いているお店を探して取材をお願いしている。そんな狙いにピッタリなお店だ。

永井シェフは東京出身で、フランスでは6年ほど仕事をしていたそうだ。お店のコンセプトはフランス在住時に抱いた「日本の食文化の危うさ」が根幹にあるように感じた。

フォションなんて金持ちと観光客だけ
「フランスは食文化の守り方がすばらしい」。そう語る永井さんによれば、フランスでは住宅地にフランス菓子屋があり、皆そこでお菓子を買うそうだ。「フォションなんてお金持ちと観光客しかいないんですよ。みんな自分ちの周りでおいしいお菓子が買えるから、そんなことしないんです」と永井さんは日本人のブランド志向と食への意識に疑問を投げかける。

同時にフランスではプレゼント用の特別なお菓子は、高いのが当然という意識があるという。「特別なときに普段と違うものを作るわけだから、当然普通のお菓子と同じ値段にはならない。4倍近くなることがあるけど、それが当たり前って感覚なんです」。これが日本だと「(普通のお菓子の)倍って言ってもひかれちゃうでしょうね」。

近所のフランス菓子屋
ブランド品なら高くても買い、近所のお菓子屋さんだと、たとえそれより安くても普段より高いと特注を躊躇してしまう日本人の価値観。永井さんは自分のお店が、この辺に住む人にとって、家の近くで良質のお菓子が買える「近所のフランス菓子屋」になれればと考えているようだ。ケーキやチョコ、焼き菓子に加えてパンやオリーブも売っている。

「こういう考えをねぇ、僕一人で言っててもねぇー、ダメなんですよ。店にいたってお客さん一人一人にこんな話するわけにもいかないし。マスコミの人に伝えてもらうしか方法無いんです」と自らの哲学を理解してもらうのに苦労されているようだ。

お客さんがケーキを食べて、食生活の幅が広がれば、永井さんの思いは伝わったことになるような気がした。
今回の僕の写真でどれだけの人に永井さんの考えが伝わっただろうか。
住宅街に良い店あるよ!そういう思いで載せた。

記事はこちら。
ノリエット ~ビュッシュ マロン~(06年12月17日掲載)

2006-12-16

近江屋洋菓子店

クリスマスケーキ特集2日目は淡路町の近江屋洋菓子店。
ケーキ以外にも「レーズンウィッチ」というレーズンの入った生クリームをビスケットで挟んだものが有名だ。名前を知らなくてもお菓子を見ると「ここのお菓子か」と思う人もいるのでは。

昭和の喫茶室
お店の雰囲気は「昭和の喫茶室」。吉田さんは4代目だが普通にお店の親父さんという感じだった。淡路町は秋葉原に近く、その秋葉原にはかつて神田市場があった。現在は大田区へ移転したが、吉田さんは昔からずっと毎朝市場に通っているそうだ。ホームページにある「リーズナブルだけどチープではないものを」という意気込みは吉田さんのお話からも伝わってきた。

それゆえ、ほかの店では良質のイチゴが手に入らない時期でも、見つけられることがあるという。また「角ショート」という300円ちょっとのケーキもあり、単に品質だけを求めるのではなく、安くておいしいケーキ作りもやっている。

4代目"店主"
「この間ねぇ、日経だったかな?どこかのショートケーキのアンケート結果でね、うちが載ったんだけどほかの店はみんな名前がカタカナだったよ。こういう名前は今時流行らないからねぇ」。そう話す吉田さんだったが、「ご紹介するときの肩書きはどうしましょう?」と伺うと「近江屋洋菓子店だから、店主がいいかな」とおっしゃった。やはり4代目店主として誇りを持ってケーキ作りをされている。そんな思いが伝わってきた。

この時期のケーキ作りについてはお店の人に「忙しいからといって雑にならないように」と言っているという。そして「良い意味で、期待は裏切れ!おいしければ他のお客さんを連れてきてくれる」との思いも込めているそうだ。

日本のクリスマスケーキの王道はショートケーキだが、そのショートケーキの王道に出会えたお店だった。

記事はこちら。
近江屋洋菓子店 ~クリスマス ショートケーキ~(06年12月16日掲載)

パティスリー タダシ ヤナギ

15日からクリスマスケーキ特集を始めた。
こだわりのお店や地域に根付いたお店を5軒取材した。
第1回目は2005年にバレンタイン特集でお世話になった海老名の「パティスリー タダシ ヤナギ」。

いつも同じ味を保つために
ここは海老名の本店(海老名駅からバスで10分くらい)と、丸井海老名店、東京の八雲店の3店体制だが、材料は同じものを使っているらしい。

海外のチョコレートメーカーなどは、ロットによって味が違うことがあるらしく、場合によってはロットやメーカーを変えたりするそうだ。お酒も果物の出来などで左右されるから同じようなことがあるという。本店でおかしいと思えば各店にそれを伝えたりして味を保っている。

パソコンよりノート
「ノートってねぇ、わかりやすいですよ」。温度や湿度、曜日などで仕込みに色々工夫している柳シェフは最近パソコンから従来のノートでの管理に戻した。「ちょうどノートを広げて見られる情報量がいいんですよ。パソコンだと全部出てこないから」。経理とかでは税理士さんとのやりとりなどで便利らしいが、ケーキ作りは情報をパッと見られるノートのほうが適しているという。

そんなこんなでクリスマスケーキ以外にも僕が聞こうと思っていた事を色々話してくださった。

記事はこちら。
パティスリー タダシ ヤナギ ~プラリネクリスティアン~(06年12月15日掲載)

2006-12-12

Lightroom起動時に"エントリポイントが見つかりません"

Windows版のAdobe Photoshop Lightroomで、現在の「public beta 4(pb4)」よりも前のベータ版を使用していた場合、pb4をインストールしても表題のようなエラーが出て起動しないことがある。

この場合、以前のベータ版をアンインストールした後に、以下の2つの"Lightroom"フォルダを削除し、pb4をインストールすると解決する場合がある。
・Cドライブ > "Program Files" > "Adobe" > "Adobe Lightroom"
・Cドライブ > "Documents and Settings" > "Administrator(またはユーザー名)" > "My Documents" > "My Pictures" > "Lightroom"

*当方は上記の作業によるいかなる障害の発生に対しても責任を負いません。

2006-12-04

新東京タワーの特集記事

12月初旬(今週あたり)と予想していた新東京タワーのデザイン発表が11月24日に行われた。
僕の中では、デザイン発表の日に記事を出して、翌日から特集という流れを考えていたが、24日の段階では特集記事「特集・新東京タワー 夢と現実の狭間で(全3回)」が出来上がってなかったので、急遽11月30日から3日間というスケジュールにした。以前から考えていた台湾の「台北101」(写真)周辺の街並みと、先日発表のあった「上海ヒルズ」をからめて新東京タワーを見つめ直してみた。

ただ、11月中は別の特集の準備を進めていたこともあり、かなりメタメタな日々に。先週は結局別の特集に手をつけられずに終わってしまった。

年内は新タワー関係で大きな発表はもう考えにくい。今回を逃すと特集を出す機会がないので、何とか出せて良かった。そして、半分仕事になってしまった台湾旅行が無駄にならなかったことも良かった。