2005-10-08

なぜ機材に投資するのか

僕は今の会社に入ってから、デジカメやレンズ、電送用のPCなど、多くの機材に受け取った給料以上の額を投じてきました。そして現在も通信費(FOMA代)など、出費は機材以外にもかさむ一方です。

確かにカメラやPCが嫌いなわけではありませんが、できることなら、旅行や食事など他のことにお金は使いたいです。もっと言えば、この会社は退職金が無いので、仮に65歳まで働くとした場合、現在の給与水準では年間80~90万円退職金としてプールしておかないと、一生働かざるを得ない状況になります。なので、機材への投資などしたくないです。

では、デジカメに投資する理由は何か。高い機材なら良い写真が撮れるというわけでもないです。写るんですでも良い写真を撮る人は撮ります。カメラに金をかけるのは「自分が撮りたいタイミングで確実に撮れる」、「毎週最低1000カット撮る状況でもシャッターが壊れない」といった確実性が第一の理由です。コンパクトカメラなどでよくありますが、シャッターボタンを押してもなかなかシャッターが切れないとか、雨に濡れたら壊れたとかでは困ります。取材現場で頼れるのは自分の機材だけです。その機材が壊れたのでは仕事にならないです。

レンズについては、明るいレンズほど背景をぼかせるほか、ファインダーでのピントの確認がしやすいのと、オートフォーカスのセンサーも明るいレンズの方が合焦精度が向上します。また、絞りの値が普通はF4やF5.6なのが、F2.8と1~2段分明るいので、暗いところでスピードライトを使えない所(美術館など)でも撮影できます。どうしても高価になりますが、悪条件でも撮れるレンズが必要なので、明るいレンズを導入することになります。

また、新規参入の報道機関となると、そもそも信用が無いわけで、それがサイトの写真を見たら、いかにも金をかけてないという安物感が伝わったら、見る人も減ると思います。国内外の通信社の写真も載る以上、極端に見劣りして「最初から信用失墜」という事態は絶対避けなければと思いました。もちろん、自分の写真が良いとか悪いとかを言いたいのではないです。ただ、記事よりも写真はそういう印象を一目見た時点で受けやすいので、注意が必要だと思いました。

僕が残念に思うことは、一般的に「高い機材=良い写真が撮れる」とか、「機材に金をかける=マニア」みたいな短絡的な発想をする人が多いことです。他の人はどうか知りませんが、少なくとも僕は理由のない機材購入はしていません。不要な物は1円でも買いませんが、本当に必要な物であれば、値段は買える範囲であれば考えません。必要だから買うというのが答えです。でもこういう考え方は理解を得にくいというか、単なる物好きにしか見られないようです。"残念です、本当に残念です"。

0 件のコメント: