2007-02-24

新タワーで東京東部の発展を

東武鉄道が地元住民らにコンセプトを披露

[私が過去にニュース媒体で出稿した記事の再掲です]

 新東京タワー建設を推進する「新タワー建設推進協議会」(同協議会主催)が10日、東京都墨田区のすみだリバーサイドホールで開かれた。地元住民や商店主など200人が出席した。

3回目となる今回は、墨田区が「押上・業平橋地区」を中心とする約35万平方メートルの地域を対象とした「まちづくりグランドデザイン」の報告を行い、新タワーの事業主体となる東武鉄道<9001>が、新タワー事業のコンセプトや進捗状況を説明した。

 墨田区の担当者は、9月に発表したグランドデザインの概要を説明。新タワーが建設される「すみだ中央エリア」を同区内の両国、錦糸町両駅の周辺地域と同じく「広域総合拠点」として整備すると述べた。また、新タワーが完成する11年度までに駐輪場や防災広場の整備を行い、25年度までの中長期計画として、水上交通ネットワークや幹線道路の整備、建物の不燃化、商店街活性化へ向けた街並み整備などを行う方針を示した。

事業主体となる東武鉄道と同社が設立した事業会社「新東京タワー株式会社」の担当者は、新タワー事業のプロジェクト名やコンセプトを披露した。プロジェクト名は「Rising East Project(ライジング・イースト・プロジェクト)」。墨田区を含む東京東部と埼玉県を営業基盤とする東武では、「日出ずる東のプロジェクト」として同地域の発展を願って名付けたという。

コンセプトとしては◆日本、下町のものづくりのDNAを継承し、人々の交流が新たな都市文化を創造する「アトリエ・コミュニティ」◆人に、地球に優しく、災害に強く、安全で安心して暮らせる、潤いと活気に満ちた「優しいコミュニティ」◆先端技術、メディアが集積し、新しい日本、新しい東京を、世界へと発信するタワーを核とした「開かれたコミュニティ」──の3つを掲げた。東武では今後、デザイン案を年内に公表し、来年春までに基本設計を終え、08年にはタワー建設に着手する予定。

出席した地元住民や企業経営者からは「新タワーへの交通手段をもっと考えないと失敗するのでは」「下町の定義を明確にすべきではないか」「近隣の商店街で土地の買い占めが始まっているという噂がある」といった意見や質問があった。墨田区や東武では、今回寄せられた意見を参考に、検討を重ねていくとしている。

新東京タワーは高さ610 メートルの首都圏向け地上デジタル放送用電波塔で、2011年の完成を目指す。今年3月に新タワーの建設候補地が墨田区内の「押上・業平橋地区」に決定。6月には、墨田区内の自治体や町会、商店会や地元企業が中心となり、従来誘致活動を推進してきた誘致団体が発展する形で同協議会が発足した。【了】

写真1:墨田区の「まちづくりグランドデザイン」に掲載された新タワーを中心とする「新タワーゾーン」のイメージイラスト(提供:墨田区)
写真2:10日、東京都墨田区のすみだリバーサイドホールで開かれた新タワー建設推進協議会(撮影:吉川忠行)



初出:2006年10月10日18時44分 吉川忠行/ライブドア・ニュース

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