牛腸茂雄展とマリオ・テスティーノ展
すでに1ヶ月前の話なのですが、10/16に牛腸茂雄展(第一会場:三鷹市美術ギャラリー、第二会場:三鷹市芸術文化センター)、10/17にマリオ・テスティーノ展(東京都写真美術館)に行ってきました。
日常を主題とし若くして没した牛腸と、ファッション写真のリーダーであるテスティーノという対極的な2つをまわりました。
-牛腸茂雄展-
牛腸茂雄(ごちょう・しげお 1946-1983)は幼い頃に胸椎カリエスを患い、36歳の若さで亡くなった写真家です。その作品は日常的なものを題材としたものが多いのですが、見るほどに問いかけてくる写真が多いです。
牛腸という写真家自体は写真を始める前から知っていました。しかし、数年前に写真の師とも言えるYさんから強く薦められ、池袋リブロで立ち読み(Yさんは立ち読みを薦めたのではないです。念のため)をしたのですが、その時は正直あまり強く感じるものがありませんでした。
ところが、実際に三鷹に行くとまず第一会場で圧倒されました。第二会場は徒歩15分位の場所でしたが苦もなく行ってきました。僕以外にも9割以上の人が第二会場を訪れていました。
写真の感想というものを上手く言葉に出来ないのですが、自らの生命をかけているというか、どうしても何度も見てしまう、見入ってしまう写真です。
結局帰る時に「牛腸茂雄 作品集成(共同通信社)」を買ってしまいました。
まぁ展覧会だと後々の事を考えて展示作品集を買うのが常なのですが。
-マリオ・テスティーノ展-
牛腸に打ちのめされた翌日(最初は1日で両方まわるつもりでした)、恵比寿に行きました。
こちらは牛腸のようなある種の絶望感がなく、華やかです。
でも、なんか心に響いてこない。決して写真が悪いわけではなく、マドンナの写真など訴えてくるというか、これぞファッション写真だ!的なのはありました。僕もああいう色彩が豊かな写真は撮りたいです。その意味では楽しめました。
しかし、昨日感じたような「写真から考えさせられること」があまりなかったです。
考えたのは自分は何でヘタなんだろうという技巧的な反省だけで、作品の力という点については間違いなく牛腸展の方が考えさせられました。
作品集は目録を入場時にもらったので買いませんでした。
オリビエーロ・トスカーニ(元ベネトンのカメラマン)展をやって欲しいなとは思いましたけど。
僕自身は日常を撮ることが多く、しかも大学に行っていた2年間は研究記録写真的なものが多いので、作品性が二の次になりがちでした。
卒業してからは少々ファッション写真も勉強して作品性を出していこうとしていた矢先に私事で色々あって写真どころではなくなり、昨年の続きをやるのが精一杯でした。
そんな自分にとって2つの写真展は
・作品としての強さとは何か
・色彩の豊かさとは何か
というまったく違うことを教えてくれた気がします。
この教えを自分の写真に活かすにはまだまだ無駄な写真を撮らなければたどり着けませんが、諦めずに挑戦しようと決意を新たにした体験でした。
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