2006-05-16

ワードロンダリング

以前から言葉の使い方一つで、本来好ましくない行為が、さほど罪悪感のない行為として、世の中で受け取られていると感じていることがある。その一つがサラ金業界がよく使う「キャッシング」という言葉だ。

カタカナにすると悲壮感とか暗い感じが伝わってこないが、要は「借金」。同じように「援助交際」だって交際ではなく「売春(買春)」である。こうした言葉のマジックを僕は「ワードロンダリング」と呼んでいる。まぁ、「マネーロンダリング(資金洗浄)」の言葉版ってことでこう名付けたけど、サラ金のCMを見てると「イメージロンダリング」なのかなぁ、とも思う。

どっちにしても、物事の本質を見失うような細工がメディアを通じて行われているのはいかがなものか。今回のアイフルの件にしても、ほとぼりが冷めれば業界全体でCM出稿量は元に戻るだろうし、世間も安易に借金をするリスクをどれだけ考え直すかと言えば、さほど真剣には考えていないのではないか。

結局個人の倫理観になるわけだが、こうした事件を契機に本来好ましくない行為を見つめ直す動きがあまりないことが、アイフルの決算会見を取材している時に少々心配になった。

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