ネットのニュースは大丈夫か
僕が所属する独自報道部門の廃止が1月29日に決まりました。
部署ごと抹殺というかリストラです。もう翌日(30日)から取材はどうでも良いらしいとのこと。でも感覚が鈍るので、記事にしなくても取材は今も続けています。
時期的に、地域経営ゼミの取材と特集記事の出稿が、すべて終わってからでよかったです。
以前から「卒論」と定義していたゼミ特集は、本当に卒論になってしまいました。
近いうちに辞める予定だった
経営再建中の問題企業を辞めること自体は問題ないし、ショックもありません。
それは事件が起きた昨年1月16日に、最低1年間は内側から「問題企業の行く末」を見届けると決めていたので、次が決まるかは別にして近いうちに辞める予定でした。
そして、記者やカメラマンは待遇が正社員であっても意識は「個人事業者」や「職人」であるべきだと思います。僕にとっては所属事務所くらいの感覚だったので、自分の職は自分で何とかします。
誠意の感じられない説明会
リストラが決まって一番驚いたのが、経緯を説明したペーパーが用意されていなかったこと。普通、こういうのはペーパーを見ながら説明するものですが、話せばいいやということらしい...
配布されたのは、転身支援?のペーパーだけ。
僕は「転身」せずに今の分野で仕事を続けるつもりですが。
社長の受け答えも、質問と違う内容の答えが返ってくるような、トンチンカンな回答が多く、思わず声を荒げてしまったこともありました。まぁ、会見でよく見かける光景です。
今回リストラを言い渡された人には、僕と違ってずっとここで働いていくことを考えていた人もいると思います。そういう人に対しては、大変失礼な対応だったように感じました。
だからこそトンチンカンな回答には納得がいかなかったです。
事件報道を利用した割には
僕らは事件のさなかも会社が不利になることも含めて伝えてきましたが、当初会社側はそういう姿勢に困惑していたようです。
それが、社外から評価されるようになると、これを利用して「これからはニュースが大事」とか色々言い出します。その割には持ち株会社制へ移行前にリストラする。結局「報道としてのニュース」ではなく、数字につながりやすく経費負担が少ない「娯楽として使えるニュース」が大事なのでしょう。
この事件以外に数字に直結するような記事を我々があまり出せなかったことも、事業としては問題だったかもしれません。こうした問題点を含め、我々が会社から部署ごと抹殺された理由は検証する必要があります。なんとか3月末までにまとめて世に出したいです。
PV至上主義と「読まれるように」する行為
もう一つ、今回の件というか、あの会社にいて気になったのは「読まれるニュース=良いニュース」という価値観が非常に強いことです。しかし、これは他のネットニュースにも当てはまるように感じます。
もちろん、読まれることは大事ですが「読まれるように」する行為からひずみが生じるのではないでしょうか。
「トピックス」という13.5文字でいかに読者を引きつけるか。それは良いのですが、記事とは異なることやクリックして読者ががっかりするような詐欺行為スレスレのやり方は、長期的にマイナスでしょう。そしてそれはニュースではなく娯楽です。
記事のニュースバリューが新聞やテレビに比べ、真剣に考えられていないという危機感が日に日に強まっています。自分たちの活動を総括した上で、こうしたことも考えていくつもりです。
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