港区麻布台に新東京タワー?
総務省、森ビル、郵政公社ともに否定
[私が過去にニュース媒体で出稿した記事の再掲です]
「新東京タワー」(仮称)の新たな建設候補地名が挙がった。場所は港区麻布台。現在の東京タワーから直線距離で約300メートル、郵政公社・飯倉分館。7日の時事通信のインターネット配信記事で、「新タワーの建設地に、東京都港区麻布台の郵政公社跡地が有力となっていることが7日明らかになった」「今後、放送の許認可権を持つ総務省がテレビ局側との調整に入る」と報じられたのだ。
まさに「寝耳に水」の話だった。ライブドア・ニュースでは、「新東京タワー」の候補地をめぐって繰り広げられている誘致合戦について「特集」を組んで報じている。そこで、関係各所に取材して、真偽のほどを確かめてみた。
まず、郵政公社に連絡した。「郵政公社の跡地」とあるが、飯倉分館は郵政公社が現在も使用しており、麻布郵便局などが入っている。同公社広報によると、「飯倉分館を取り壊す予定はない。森ビルからの打診もない」とのこと。
次に、総務省。「総務省がテレビ局側との調整に入る」という点に関して、同省情報通信政策局の担当者は「再開発事業のアイデアの一つ。放送事業者側と協議する以前に、総務省は候補地の選定に介入していないし、そもそもタワーを作って欲しいと言っているわけでもない」と困惑している様子。
埼玉新聞のWEB版では、総務省とともに森ビルの名前もあがっている。しかし、同社の広報担当者は、「飯倉分館周辺の再開発は計画しているが、飯倉分館そのものを再開発する予定はない」「再開発の目玉として、新東京タワーを建設する案を放送事業者や関係省庁に打診したことは事実だが、具体的な協議はしていない」とのこと。
新東京タワー誘致を進めている埼玉県の上田清司知事は、「インチキくさいね」と不快感を示したという。ある関係者は「総務省が関与するという話ははじめて聞いた」とのこと。どうやら、この情報は事実無根だったようだが、火のないところに煙は立たずという。はたして、真偽のほどは……【了】
写真:郵政公社・飯倉分館(写真左)の右奥には東京タワーが見える(撮影:吉川忠行)
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初出:2005年03月09日19時50分 吉川忠行/ライブドア・ニュース
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