2006-10-15

D2Hs→EOS-1D Mark II N 1年経過 その3

前回、前々回とNikonからEOS-1D Mark II N(以下Mark II N)へシステム変更を行って感じたことやカスタマイズなどを書いてきた。
最終回となる今回は購入当初に書いた感想の振り返りも含め、1年間の感想のまとめとしたい。

---良い点---
1. 高感度ノイズが少ない:
昨年(2005年)10月17日の「D2Hs→EOS-1D Mark II Nの感想」には「D2Hsもそんなにノイズが目立つわけではなかったのですが、EOS-1D Mark II Nはさらに目立たないという印象で、ISO1600も躊躇なく使えます」と書いている。

確かにMark II Nと比較すれば別だけど、D2Hsは世間で言われるほど高感度ノイズは問題ないと思った。
ただ、Mark II Nのほうがより安心してISO1000以上に設定できる余裕があると思う。

2. ホワイトバランスの精度:
D2Hsを使っていて困ったのは、ホテルなどのタングステン光の部屋で、スピードライトを天井バウンスさせたミックス光でのホワイトバランス(WB)の精度だった。オートのみならず、色温度で設定していても変な色になることがあった。スピードライトにカラーフィルターをつけても、どこか疑問の残る色だった。

D2HsではWBを電球にし、スピードライトを使わないという自衛手段を取っていたが、Mark II Nにしてからはスピードライトも使用している。

ちなみに、このWB問題も自然光では特にD2Hsで不満を感じることはなかった。

3. 意外と使いやすかった:
10月17日の「D2Hs→EOS-1D Mark II Nの感想」では「測距点の選択は11点測距にして横方向のみを使い、アシストボタンだけ押すと中央に戻るようにしたり、FELボタンとメイン/サブダイヤルで測距点選択できるようにする」とあるが、現在は測距点数を45点測距にしている。FELボタンで測距点を選ぶ方法は今も同じ。ただ、測距点の中央復帰はFEL+アシストボタンにした。
D2系から移行するときは、最初から45点にするより、一度11点で操作系に慣れてから測距点数を増やすのも一つのやり方だと思う。

操作性については、全体的に「意外と使いやすかった」程度の「使いやすさ」に変わりなく、慣れてしまったからあまり問題に感じないだけかもしれない。「全体的に操作性はD2Hsのほうが良いです。F5以来の測距点選択ボタンはメニューの選択にも使えて便利です」との感想はいまでもそう思う。
次のEOS-1Dは操作系を変更しても良いのでは?

4. 再生時の操作性の向上と液晶の2.5型化:
同じく10月17日の「従来から指摘されてきたEOS-1D系の再生時にメニューの変更が出来ないなどの問題点の改良と、液晶の2.5型化」という点については、確かに操作上問題になったり、極度に液晶が見にくいということはない。
しかし、画像を早送りすると見たいコマがすぐ表示されなかったり、液晶の色味がややシアンがかっているとか、まだまだ改善の余地はあると思う。

5. クロスセンサー以外のAFセンサーも結構正確:
D2Hsでは9点がクロスセンサーなのに対し、Mark II Nでは中央7点のみがクロスということで、その他大勢のセンサーの精度はどうだろうと思っていたが、意外と正確だった。

6. ほぼレンズのオリジナル画角で使えるAPS-Hサイズのセンサー:
APS-Hだと35mm=135判(フルサイズ)換算で45.5mmと、APS-Cの同52.5〜56mmに比べれば、ほぼ135判と同じ感覚で使える。
また、AFエリアがフルサイズよりも画面全体で使えるので便利。

---悪い点---
1. ISO感度、撮影可能枚数、撮影枚数のうち、2つしか液晶に表示できない:
10/17付「背面液晶が大型化した割にダメだなと思ったのが、この点です。D2Hsでは上面(撮影可能枚数、撮影枚数)と背面(ISO感度)を使ってすべて表示されていたので、D1Hに逆戻りした感じです。そのD1Hでさえ、背面液晶にISO感度が表示できたので、液晶を大きくしたのだからやってもいいと思います。現時点では上面液晶にISO感度、背面に撮影枚数を表示しています」

この点はいまも同意見。はっきり言って使い勝手が悪い。
もっと言うと、撮影枚数ではなく「画像番号」が表示されるという仕様もよくわからん。画像の番号なんかより「何枚撮ったか」のほうが知りたい。

2. ファインダーに表示されない項目:
「ホワイトバランス以外にも、EOS-1D Mark II Nでは上面液晶に常時ISO感度を表示する設定にしないと、ファインダーにISO感度は表示されないし、この場合撮影可能枚数がファインダーで確認できません。もともと撮影枚数が表示できないのもいかがなものか」
「スピードライト充電完了の表示が赤ではないのも視認性から言うと悪い」

この2点も使い勝手が悪い。
フィルムと違ってISO感度やWBはファインダーで表示されるべき情報だと思う。
あとはスピードライトの充電完了表示の色。やはり赤の方がわかりやすいので変えて欲しい。

3. 設定変更時にファインダー表示が消える:
10/31付「あまり雑誌などでは指摘されていないようですが、マニュアルと絞り優先を撮影中に切り替える場合など、露出モードをニコン(D2Hsに限らずD1なども)ではファインダーから目を離さずに切り替えられるのが、Mark II Nでは、上部液晶でないと切り替えが確認できません」

Mark II Nにして驚いた一つはこれだった。
露出モードやISO感度を変えるときにファインダー表示が消える。ISO感度は2つのボタンを同時に押しながらダイヤルをまわすので、ファインダーを見ながらというのは現実的でないが、それにしても設定を変えるときにファインダーの表示をあえて消す意図がよくわからない。

4. 暗部でのAF性能:
同じく10/31付「ニコンではD2Hsに限らず、F5からEV -1の暗さでも(明るいところはEV +19まで)測距できていますが、Mark II NではEV 0からになります(同EV +18まで)。ちなみにEOS 20DやEOS 5DはEV -0.5から測距できます。つまり全体的にキヤノンのAFは暗いところが苦手なようです」「Mark II Nだと、目で見て暗いなぁと感じる場所だと測距に迷う動きをします」

結局のところ、現在はマニュアルフォーカスで対応している。
フォーカシングスクリーンをEc-Sにしているので、広角レンズでピントが合いにくい場合もマニュアルでピントをあわせている。

5. バッテリーについて:
10/17「リチウムイオンじゃないというのも不満」

このときの感想は充電器に関するものだったが、「リチウムイオンじゃない」ニッケル水素電池ゆえのメモリー効果対策を行ってきたのでご報告。
継ぎ足し充電でのメモリー効果を防ぐため、Nが2台あることを利用して、バッテリーを交互に使っている。そして毎回極力使い切ってから交換している。また、Excelで充電した日やリフレッシュを行った日を記録した。

当初はExcelで記録していたが、現在はどのPCからでも記録できるように「Google Spreadsheets」で運用している。

6. 縦位置写真の表示を「モニターでは横、PCでは縦」にできない(D2HsやEOS 30Dは可能):
これはファームウェアのバージョンアップで可能ではないのか?
カメラのモニターのように小さい画面では縦位置写真でも横に表示された方が確認しやすい。
反面、PCでは縦位置写真は縦にするためにそうしているので、わざわざ90度回転を行わなくても、最初から縦で表示される方が便利だ。

7. スピードライトを装着するアクセサリーシューが3か月経つとガタガタになる:
こういうところにメーカーの思想が見える気がする。
カタログには載せにくい部分だけど、いわば「業務用」のカメラで耐久性が問題になるのはどうかと思う。

8. ファインダーにゴミが入りやすい:
D2Hsも同様の傾向がある。
同じゴミが入りやすいなら、入ったゴミを取りやすくして欲しい。

9. 付属のストラップが肩から滑りやすい:
夏頃に「プロストラップ」の最新版が送られてきたが、これも3カ月でダメになった。
このストラップも結局すべりやすかった。

NPSで現在配布しているストラップだと同じ服装でも滑りにくいので、同じようなものを出して欲しい。

 ◆ ◆ ◆

なんだ。いろいろまとめだすと、悪い点の方が多い。
それでも色が安定しているとか、画質面で考えると良い点は多いし、これが作業効率の面で重要なのは確か。
反面、ファインダーや液晶の表示項目やカメラとしての作りなど、カタログや作例ではわかりにくい所には不満が残る結果になった。
まぁ、商売上は画質というわかりやすい部分に注力するのはわからないわけではないが、そろそろ画質だけでカメラが勝負する時代は終わったように感じる。

それよりも、使用感などのカメラに本質的に求められる部分の改良が行われる時期に来ているのではないか。
そして、ユーザー側もこうした画質以外の部分ももっと評価するようになっていかないと、いつまでも現状は変わらないと思う。
メーカーというのは、ユーザーが改良した製品を買ってくれて評価してもらえなければ、自分たちの行いが正しかったと言えないわけだし、営業サイドも簡単に訴求できる要素ばかり求めるんじゃないだろうか。
実際、フォーカシングスクリーンのEc-Sなんて、EOS-1ユーザーがピントのヤマがつかみにくいと何年もリクエストを上げ続けたから出たようなものだと思う。

NikonとCanonの両方を使うようになって、買う側の意識が変化することの大切さがわかったような気がする。

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