2007-02-08

特集・どうなる?新東京タワー(4)

すみだタワー(墨田区 押上・業平橋)

[私が過去にニュース媒体で出稿した記事の再掲です]

 すみだタワーの建設候補は押上・業平橋地区。現在、都市基盤整備の準備が進められている約6.4ヘクタールの「押上・業平橋駅周辺土地区画整理事業」の中核的施設として、新タワー建設が盛り込まれている。

すみだタワーの3つのウリ

2003年3月に、営団地下鉄(現東京メトロ)半蔵門線の水天宮-押上間が開通し、従来の東急田園都市線に加え、東武伊勢崎線との相互乗り入れが行われるようになって、同地区の交通の利便性は飛躍的に向上した。羽田・成田両空港からそれぞれ約1時間、東京駅から14分、上野駅から7分。この良好な交通アクセスが、新タワー誘致の第一のウリである。

第二のウリは、周辺部に観光資源の集積があること。浅草(浅草寺・雷門・仲見世通り)、両国(江戸東京博物館・国技館)、上野公園、秋葉原電気街などである。ちなみに、第2回目で紹介した「台東ワールドタワー」とは、隅田川を隔てて直線で約1キロメートルしか離れていない。

第三のウリは、事業主体が明確になっていること。建設予定地は事業主体である東武鉄道の所有地だ。去る2月10日に同区内の曳舟文化センターで行われた「新タワー誘致決起大会」(新タワー誘致推進協議会と墨田区の共催)には約600人が集まり、東武鉄道が新タワーのプレゼンテーションを行った。

今のままでは建てられないが… ~航空法という壁を壊す~

すみだタワーの高さは約610メートル。地上350メートルと450メートルに展望ロビーと特別展望ロビーを設置する予定(イメージ図は比較表参照)。商業施設やレストランも設ける計画で、建設費は概算で約500億円と見込んでいる。

すみだタワーの建設予定地域は、羽田空港の飛行ルートにあたり、航空法上の高さ規制がある。このため、現時点では610メートルの新タ
ワーを建設することはできない。だが、国土交通省が4月に、この地域を含む2地域で、航空法の高さ制限を緩和する予定になっているので、タワー建設に支障はなくなることになる。

東武鉄道によれば、すみだタワーの「基本理念」は、「活力あるまちづくり」と「時空を越えたランドスケープの創造」。墨田区は、周辺地域の大規模開発と観光タワー事業との相乗効果に大きな期待を寄せている。(つづく

写真:業平橋駅から見たタワー建設予定地(撮影:吉川忠行)

■特集・どうなる?新東京タワー
最終回 4月には候補地が絞られる
第6回 さいたまタワー(埼玉県・さいたま新都心)
第5回 新東京タワー(豊島区・池袋)
第3回 新東京タワー(足立区・東六月と舎人)
第2回 台東ワールドタワー(台東区・隅田公園周辺)
第1回 600メートル級タワー、今月末には候補地絞り込みか



初出:2005年03月12日19時06分 吉川忠行/ライブドア・ニュース

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