2008-07-13

D3でAFが迷う件が解決

7月8日のエントリーでD3を使っていて「AFが迷う」という報告を書きましたが、10日に修理完了品を取りに行ったところ、原因は「AFセンサー面のゴミのため」とのことでした。処置として、AFセンサーの清掃とAF精度調整を行ったようです。

AFが迷う具体例としては、主にAF-S 70-200mm F2.8で記者会見などを取材している際に、目や鼻の周囲などコントラストが高い場所でAFをあわせようとしても、大ボケしてなかなかピントが合いませんでした。これはAF-S 300mm F2.8(VRなしの初代)でもたまに発生していました。

修理完了品でAFの作動テストを行った限りでは、問題は再発していません。ただ、現場では私以外にも似たような症状が起きたという人がいたので、本当に「AFセンサーの清掃とAF精度調整」だけで解決したのかや、まだほかにも問題があるのかはわかりません。自分のD3も含めて、もう少し様子を見てみようと思います。

2008-07-08

D3導入から4カ月

3月16日にD3を購入して4カ月。先にD300を購入していたので、設定などはここで得たものをほぼそのまま反映できました。

これで、2005年10月から2年5カ月続いたEOS-1D Mark II Nの生活は終わり、Nikonメインの生活が戻ってきました。D2HsからMark II Nに切り替えた時も書きましたが、画質を除けばD2Hsのほうが使いやすいという感想を抱き続けてきた自分には、D3は待ちに待った機材でした。

D300と比べると、またマルチセレクターの話ですが、中央にボタンが設けられたのでより使いやすくなりました。D2Hsの時は中央ボタンを使った操作がやりづらく、中央を押しているのに斜め上を押したと判断されたりすることがよくありましたが、これがなくなりました。

単焦点も復活

レンズはほぼ同時期に購入したAF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G EDと、以前から使用しているAi AF-S Zoom-Nikkor ED 17-35mm F2.8D(IF)、AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8G(IF)が中心です。D300と共用でAF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G(IF)も使っています。

あとは単焦点が復活です。フルサイズということで銀塩時代に買ったレンズや、D3導入を見越して買い始めたカール・ツァイスのZFレンズ(Distagon T * 2/35とMakro Planar T* 2/100)、フジヤカメラで投げ売り状態のフォクトレンダーのSLレンズ(12mm F5.6、15mm F4.5、90mm F3.5、180mm F4)なんかも状況に応じて使ってます。まぁ、ULTRA-WIDE HELIAR 12mmとSUPER WIDE-HELIAR 15mmの2本はミラーアップなので自己責任ですが、ちょこっと使った限りでは周辺に色収差?が出たりするのであまり実用的じゃないです。

→ULTRA-WIDE HELIAR 12mmで撮った写真を載せました(09.11.14)
→SUPER WIDE-HELIAR 15mmで撮った写真を載せました(09.11.8)

先月までいた会社は、なかなか取材に行けない会社でした。その割にAF-S 70-200mm F2.8は結構荷物になるので、どうにか軽くしたいなぁと思って買ったのがAPO-LANTHAR 180mm F4でした。最悪は18-200mmでDXクロップという手もありますが、これならフルサイズで望遠までカバーできます。

ワイド側がAF-S 17-35mm F2.8なのは、運用上このほうが前玉を気にせずに撮れるからです。
商品撮影など、機材を丁寧に取り回せる撮影ならばAF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G EDを使いたいですが、報道の現場の場合だとカメラをぶら下げたりするので、あの前玉だとレンズが気になってしまいます。なので、普通に使える17-35mmも新型が出てくれるとありがたいのですが。

D3の画質

基本的にはD300の時に書いたことと同じです。強いて言えば、高感度がISO 3200まで躊躇なく使えることでしょうか。ISO 6400もあきらかに「高感度に設定している」とわかる画になりますが、使えないものじゃないです。むしろ、クセを把握すれば使いやすいと思います。

ホワイトバランスもD300で設定した[オート]に対して常に[B1]への微調整をかけてますし、ピクチャーコントロールも[スタンダード]を基準に、

輪郭強調:1
コントラスト:-1
明るさ:-1
色の濃さ:0(デフォルトのまま)
色合い:0(デフォルトのまま)

とD300と同じカスタマイズをして使っています。

ただ、D300のところで書いた「等倍で見ると肌は解像しているけど、髪の毛を一本一本見るとやや解像しておらず、ノリで固めたみたいに見えることもあった」ということは、D3だとありません。この辺はフルサイズの余裕なのだと思います。

AFが迷う

D300では特段気にならなかったのですが、D3で人物の表情のアップをねらったりすると、目などコントラストがある部分でピントを合わせようとしても大ボケしてしまうことがあります。当然このときに使っているレンズはAF-S 70-200mm F2.8が多いので、レンズが原因かもと思いましたが、サービスで見てもらった限りではレンズは異常なしとのこと。現在D3本体を預かってもらっています。

確かにAF-S 300mm F2.8(初代)でも若干同じようなことがあったので、D3の問題のような気がします。他社の人からも同じような話を聞いたので、もしかしたら何らかの不具合があるのかもしれません。

→修理品が戻り、原因がわかりました(08.7.13)

マルチセレクターが効かなくなる

私は縦位置にするときに横位置のレリーズボタンに手をかけたまま下に来るように構えます。その状態でマルチセレクターの左ボタン(横位置で見た場合)を押しても効かないことがたまにあり、これも今AFと一緒に見てもらっています。

左ボタンが効かなくなると、右ボタンを押して循環で希望の位置に戻すなどの応急処置をとってます。

D3とD300の防塵防滴の違い

これは両方を同じように濡らしたとは言い切れないのですが、4月に長野で行われた聖火リレーを取材したときに、ゴール地点では強い雨が降ったりやんだりしていました。そのときにD3とD300が濡れたときに、D3は再生ボタンやマルチセレクターを押しても問題なく作動しましたが、D300は再生ボタンやマルチセレクターの上ボタンなど、ほかのボタンよりも雨がかかった場所は一時的に反応が悪くなりました。

こうした挙動を見ていると、同じ防塵防滴でもD3のほうが安心できるなと感じました。もちろん、濡らさないようにするのが一番なのですが…。

D3とD700の違い

D700をさわった感想としては、測光モードのダイヤルの回転方向の変更など改良を加えたD300の筐体に、D3のセンサーを入れてゴミ取りを付けたもの、という感じでした。やはり“たてつけ”の部分はD一桁機とは違ってD300に近いです。それでも少しでも装備を軽くしたいという場合には良いと思いますし、ほぼ同じ画質で用途に応じたボディーが選べるようになってきたことも喜べることです。

D3やD300に比べて、D700は“使い勝手”というカタログスペックとして謳いにくい部分が向上していたので、D3X(仮称?)がどう進化するのかが今から楽しみです。

2008-07-07

D300導入から7カ月

2007年11月29日にニコンのD300を購入して約7カ月が経ちました。
いきなりD3にすることも考えたのですが、D2Hs時代にスピードライトを天井バウンスするとビミョーな色になっていたので、お試しという感じで導入しました。(09.10.6追記あり)

D300を購入した頃のメイン機材はEOS-1D Mark II N(以下Mark II N)でしたが、休日などはD2Hsを使うようにして、なるべくCanonだけでなくNikon の操作方法も忘れないようにしていました。そのため、D300を手にしても違和感は感じませんでした。

私は左目でファインダーを覗くのですが、D300はD2Hsと比べてマルチコントローラーが鼻に当たりにくくなってます。液晶が2.5型から3.0型に大きくなったことでマルチコントローラーがやや右寄りになったからだと思います。

レンズは06年12月に導入したAF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G(IF)や単焦点を使うことが多かったです。
18-200mmは、画質でいろいろ言われていますが(歪曲収差が大きいとか、ヌケが良くないとか…)、D300につけっぱなしだと画質が良い便利カメラになるので、必要にして十分な組み合わせだと思います。ただ、歪曲の話は確かに目立つので、収差を気にする人には向かないレンズだと思います。

VR 18-200mmとの組み合わせ

便利カメラとしてのD300と18-200の組み合わせですが、08年の元旦は葛西臨海公園でディズニーランド越しの初日の出を取材しに行きました。クソ寒い中、レンズ交換することもなくいろいろなカットが撮れて便利でした。まぁ、午前2時くらいにフラッと思いついて、一人でボディー1台、レンズ1本、電送用パソコン1台という超軽装備で向かったのですが、そんなときには非常に良い機材です。



D300の画質

私はニュース写真が主なジャンルなので、JPEG(Fine・L・画質優先)がほとんどです。JPEGでの画質については、ピクチャーコントロールを調整すれば、特に不満のない仕上がりになっています。

高感度も、ISO 3200になれば「高感度で撮ったな」という感じはありますが、ISO 1600であれば掲載時には縮小してしまうこともあり問題ありません。ちなみにMark II Nの時は、だいたいISO 1000を上限にしていました。ISO 1600も特段問題はなかったのですが、余裕を見てという感じです。それがISO 1600を躊躇なく使えるのは良い点です。

ただ、ホワイトバランスについては、光源にもよりますが、Mark II Nのほうが結果を予測しやすいところがありました。これも、使用期間が長くなるにつれて、微調整のコツがわかってきたので、今ではさほど大きな問題ではなくなってきています(後述)。

また、厳密なテストはしていませんが、等倍で見ると肌は解像しているけど、髪の毛を一本一本見るとやや解像しておらず、ノリで固めたみたいに見えることもあったので、その辺は現状のAPS-Cサイズで1200万画素クラスの限界なのかもしれませんが、等倍で見ない限りは実用の範囲だと思います。まぁ、感度を下げたり、RAWで撮ったら違うのかもしれませんが、元々D3を買う前に最近のNikonの画作りの方向性や癖を把握するために買ったカメラなので、そこまで詳しくは調べる予定はありません。

ピクチャーコントロール

いろいろ言われているように、デフォルトのままだとちょっとコンデジっぽい画になると感じます。
ただ、JPEGで撮る場合は、撮った画を極力Photoshopで加工せずに使いたいので、私の場合は汎用性の高いものを[スタンダード]を基準にカスタマイズして使っています。

輪郭強調:1
コントラスト:-1
明るさ:-1
色の濃さ:0(デフォルトのまま)
色合い:0(デフォルトのまま)

D300が露出がD2Hsなどと比べて明るくなっているようです。これは基準露出とピクチャーコントロールのどちらが原因かわかりませんが、ニコンの「ピクチャーコントロール非対応カメラの画作りにピクチャーコントロールで近似させる設定の目安」を見る限り、[明るさ]を1段下げるのが従来機に近づけるメーカー推奨設定(?)のようです。

D300のカスタマイズ設定で[基準露出レベルの設定]を[-1/6]とかやってみたこともありますが、いまいち効果がわからず、結局上記のピクチャーコントロールの設定にして、基準露出レベルはデフォルトのままにしています。

上述の「汎用性の高いピクチャーコントロール」のカスタマイズ候補として、[スタンダード]以外に[ニュートラル]と[D2XMODE1]、[D2XMODE2]も試しましたが、いわゆる記憶色でいくと、[スタンダード]をベースにした方が無難な感じでした。これは、自動販売機でなるべく色数が多いものを撮影したり、看板が多い風景を撮った結論です。特に赤が[ニュートラル]や[D2XMODE2]だと、汎用性の高さをねらうには渋すぎる感じがします。ポートレートなど、ジャンルや編集方法が違えば異なった結果になるでしょう。

私も商品撮影などではRAWで撮ることもあります。このときはLightroomで作業するので、だいたい「ニュートラル」のような画を基準に作業しています。

ホワイトバランス

オートがほとんどですが、常に[B1]への微調整をかけています。
さきほどの[スタンダード]をベースにしたピクチャーコントロール同様に、汎用性が高い値としての設定であり、実際にはテスト撮影をして色温度設定などを使うこともあります。

D2Hsで問題が多かった天井バウンス時の色味も、ほとんどの場合は問題なく撮れています。
なので、カメラになれてくればそれほど問題はないのでは、というのが感想です。

操作性など

Mark II Nに比べれば使いやすいです。これはD2Hsの時も同じでしたけど。
ただ、測光モードがダイヤルになっているので、これがカメラバックから出し入れしていると、動いていることが多いです。同様に視度補正のダイヤルも動きやすいので、測光ダイヤルと視度補正ダイヤルの2カ所はパーマセルで固定しています。D700はこうした声を受けてか、測光モードのダイヤルの回転位置が変更になってます。

あとは、露出補正が左に回すと+で、右に回すと-なのが使いにくいです。
ダイヤルの方向を逆転できますが、そうすると絞りやシャッタースピードまで逆方向になるからまた使いにくい。先日ニコンの人からD700の試作機を渡されたときに「露出補正だけ逆方向にできるとか、もう少し細かく設定できるようにしてほしい」とお願いはしたんですが、今後変わるのでしょうか…。

09.10.6追記

現在連載している「写真は引き算で考えよう」でD300のカスタマイズについて取り上げました(記事はこちら)。
やはりブログのほうが細かい部分まで書けるので、連載の記事はその後のアップデート情報程度に読んでいただければと思います。

大きく変わった(?)のは、ピクチャーコントロールを「ニュートラル」にしたくらいです。
今のところD3ばかり使っているのでそれに合わせたからなのですが、「スタンダード」はJPEGでそのまま使うか、あまり編集しないで出稿する時だけ使ってます。

自販機など色味が多い被写体で試し撮りすると、見た目に近いのは「スタンダード」なのですが、補正して仕上げることを考えると「ニュートラル」のほうがやりやすいかなぁ、という感じです。RAWだとまた違いますが。