SB-900導入から4カ月
北京へ行く直前の7月の終わりにSB-900を導入して4カ月。11月に入ってファームウェアも5.02へアップデートが行われたので、これまでの感想をまとめてみます。(09.2.24追記あり)
良い点は発光部が大きくなったことと配光タイプの切替機能、電池4本でもチャージが速い点です。難点は全長(高さ)が大きくなったことと熱を持ちやすいこと、スイッチの形状でしょうか。
とにかくデカイけど配光タイプ切替は良いかも
小型だったSB-800(左)や平均的な大きさと言えるキヤノンの580EX(右)と比べても大きいです。
フィルム時代はSB-26を使っていたのですが、SB-28からはSB-800も含めて発光部が小さいせいか、どうも直射した場合はSB-26に比べて光が硬いような気がしていたので、発光部が大きくなったことは悪くないと思っています。
これでもう少し全長が短くなって580EX位の大きさなら良いのですが...
あとは配光タイプの切替機能がいいです。
切り替えは「スタンダード配光」に加えて「中央部重点配光」と「均質配光」があります。
「スタンダード」でもSB-800に比べて画面全体に光がまわりますが、「均質」にするとより周辺部への光のまわりが良かったです。
「中央部重点」は画面中心部へ重点的に光をまわすようで、スカシ撮りにはいいんじゃないかと思います。残念ながら最近はスカシをやる機会がなくて、実戦で使えてないです。
エネループ4本で最短2.3秒のチャージ
SB-900の最短発光間隔はエネループのようなニッケル水素充電池4本で約2.3秒です。
従来のSB-800は5本で約2.9秒だったので、4本単位で充電することを考えるとSB-900のほうが運用しやすいです。
また、外観もSB-800を乾電池5本で使用すると外側に出っ張りができてしまい、カメラバッグ内での収まりがよくないです。
北京へ行く際に導入したのは、タテに大きくなったとはいえ、収まりの良さと電池4本でのチャージの速さは決め手の一つになりました。
過熱防止センサーの搭載
高熱で発光部が壊れるのを防止するセンサーが搭載されるなど、580EX IIと似たような機能も搭載されています。
まぁ、設計はニコンやキヤノンでも、作っているのはパナソニック フォト・ライティングと言われているので、似たような機能が搭載されるのはあり得ることです。
SB-900を記者会見などで使っていると、天井バウンスをした場合に取材開始から45分くらいでセンサーが作動したことがありました。ほかにもさほど炊いてない状態でもセンサーが働くことがあったので修理に出しましたが異常ナシとのことでした。
この間に代替機として借りたものはファームウェアが5.02(修理に出したものは5.01)でしたが、こちらでは上記の症状は出なかったのでファームアップも関係しているのかもしれません。
ただ、発光部が熱くなるときは電池もかなり熱を持ちます。
発光間隔が短くなった分、負荷がかかっているようなので、バシバシ炊くときはおとなしく外部電源のSD-9を使った方がよさそうです。
電源スイッチの形状はこれでいいのか?
SB-900とSB-800、580EXと比較して一番気になったのは、電源スイッチの形状です。
カメラバッグの中で自然と電源が入っていたり、電源ON+ワイヤレスモード(REMOTE or MASTER)に切り替わっていることが結構ありました。使う前に確認するとはいえ、知らない間に電源が入ったりワイヤレスモードになっているのはちょっとどうかなと思います。
一番使いやすいのは、580EXのように電源スイッチとワイヤレスモードのスイッチが独立している配置です。これならワイヤレスモードのスイッチだけパーマセルなどテープで固定してしまえます。SB-900は「OFF→ON→REMOTE→MASTER」となっているので固定できません。
4カ月使ってみてSB-900の機能で大きさや背面のレイアウトは580EXというようなスピードライトが理想という感じでしょうか。
あとはF5など古いフィルムカメラでTTL調光を使う場合はSB-900は非対応なので、いまSB-800を持っていて古いカメラも使う人はその辺を考慮された方が良いと思います。
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09.2.24追記
このエントリーをご覧になった方で上述の「カメラバッグの中で自然と電源が入っていたり~」の部分が気になってSB-900の購入に踏み切れないという方がいらっしゃるようなので追記。
この現象はカメラバッグによって起きやすいものと気にならないものがあります。
---持ち運び編---
私が主に使うカメラバッグはDOMKE(ドンケ)の「J-1」と「F-3X」、Think Tank Photo(シンクタンクフォト)の「Urban Disguise 50(アーバンディスガイズ50)」です。
このうち、J-1とF-3Xの外側ポケットに入れた場合に電源が入りやすいです。
外側のポケットだと、電源スイッチ中央のロックボタンが押されてしまうのだと思います。
反面、Urban Disguise 50ではバッグ内に転がしている限りは自然に電源が入ることはありません。
ちなみにUrban Disguise 50は半年くらい使ってますが結構使いやすいので、そのうちエントリーを書こうと思います。
---撮影編---
持ち運び時はこんな感じなんですが、取材中にSB-900の電源を入れようとするとワイヤレスモードに突入してしまうことがあります。
ロックボタンを押すつもりがなくても、急いでいると丁度指がかかってしまうという感じでしょうか。
---まとめ---
というわけで、持ち運んでいるときと撮影時を分けてみましたが、結構扱い方には個人差があると思うので、できれば展示品で大きさと一緒に確認された方が良いと思います。
■関連リンク
SB-900(ニコン)
SB-900のファームウェア(ニコン)
SD-9(ニコン)
SB-800(ニコン)
580EX(キヤノン)